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価格査定とは宅地建物取引士が土地、中古戸建、中古マンション等の媒介を行うときに、具体的な売出価格を決定する参考として、
妥当な市場価格の判定を行うことをいいます。

価格査定はなぜ行う必要があるのか?

第1には、新築物件と違い中古戸建住宅・中古マンション等には、公表された価格がないということです。したがって、売却に出される段階で、
その市場価格の判定を行う必要が生じます。

第2に、不動産は一般にきわめて高額であり、また国民経済のなかに占めるウエートが大きい重要な資産であることが挙げられます。
不動産は、わが国国民が有する各種資産のなかでもっとも高額かつ重要な資産であり、その価格の判定には最大の注意が払われるべきことは
当然といえます。

第3には、不動産は1つとして同じものはなく、極めて個別性が強いといえます。例えば、ある中古マンションに限ってみても、階数、専有面積、
間取り、開口部、維持管理の状況等、個々に違うのが通常であり、これらの差は当然に価格に反映されることが求められます。

第4には、売主と買主の相反する利害の調整機能を挙げることができます。一定の条件の下で、売主はより高く売却することを望み、逆に買主は
より安く購入することを望みます。価格査定は、この相反する経済的利害に宅地建物取引業者が1つのガイドラインを示すことにより、
双方にとって満足できる調整機能を果たすことが可能となるわけです。

このように価格査定の果たす役割と意義は大変に大きいことがわかると思います。

不動産取引における4つの価格について

不動産取引の流れのなかでは、1つの売却不動産についてさまざまな「価格」が存在します。
①売希望価格、 ②査定価格、③売出価格、④成約価格です。

①売希望価格
売却不動産の所有者が〇〇円で売りたいと望む価格であり、市場の実態よりかけ離れていることもままあります。
したがって、売希望価格については、その背景を確認してみることも大切なことです。売希望価格が売却不可能なほど高額な場合には、
売却に出すこと自体難しいこともありますし、また遠隔地に所有する物件等については、相場に比べて著しく低額な場合もあるかもしれません。

②査定価格
価格査定マニュアルによって、現在の不動産市況と個々の物件の特性を考慮のうえ算出され、宅地建物取引業者が不動産の売却の媒介を受託する
のに際して、売主に提言する助言価格です。一般には当該価格で売却に出した場合には、3ヶ月以内に売却可能と判断される価格と考えられます。

③売出価格
査定価格をもとに売主との協議の結果、具体的に市場に売りに出す価格です。仮に査定価格を大きく上回る売出価格を設定した場合、成約の可能性
はきわめて少なくなり、結果的に売主に迷惑をかけることにもなります。したがって、売出価格の設定は、売主との十分な打合せと市況判断に
基づいて行うことが必要です。

そして営業活動を行うことにより、最終的に売主・買主間で合意を見た売買価格が④成約価格となります。