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さて、前回から「不動産売買契約書」について、記載内容や注意点をご紹介しています。
今回はその後編です。
売買契約書には、契約上で大切なことがあまさず記載されています。不動産売却の際に、重要事項のヌケモレがないかを確認するためにも、ぜひご一読ください。

まずは前回のおさらいです。
◆不動産売買契約書の一般的な項目
(1)土地・建物、契約の当事者に関する項目
(2)土地面積および土地代金の精算に関する項目
(3)売買代金や手付金、支払いに関する項目
(4)所有権の移転、登記、引き渡しに関する項目
(5)付帯設備等の引き継ぎに関する項目
(6)危険負担、契約違反による解除、契約不適合責任等に関する項目
前回は、(1)~(2)までの記載内容や注意点をご紹介しました。
今回は、(3)~(4)までの項目をご紹介します。
<不動産売買契約書のチェックポイント>
※(1)~(2)については、前回のメールをご確認ください。
(3)売買代金や手付金、支払いに関する項目
●売買代金の支払時期と支払方法について
契約締結時に買主から手付金を受け取り、引き渡し時に残代金の支払いを受ける形が多くなっています。土地面
積の実測売買で引き渡し時に精算する場合は、その支払い方法についても記載します。
●手付金と手付解除について
契約締結時に支払われる手付金は、最終的に売買代金の一部になります。契約当事者のどちらかが契約の履行を
しなかった場合の、手付金の扱いや手付解除の詳細についても明示されます。
●公租公課等の精算について
固定資産税や都市計画税など土地建物に課される税金や、光熱費、管理費などの各種負担金は、売主と買主の間
で清算するのが一般的です。
契約書には、負担の区分や精算方法などが明記されます。通常は、物件の引き渡しの前日までは売主、引き渡し
日以降は買主とし、精算は引き渡し日を基準に日割りで行うことが多いようです。
納付分担の起算日は「1月1日」か「4月1日」のどちらに決め、契約書にも記載します。
(4)所有権の移転、登記、引き渡しに関する項目
●所有権の移転の時期について
買主から売買代金が支払われると同時に、所有権が売主から買主に移転するのが通常です。契約書にもその旨が
明記されます。
●登記申請手続きについて
売主は、買主から売買代金を受領すると同時に、物件の所有権を買主の名義に移行する登記申請手続きを行うの
が通常です。契約書にもその旨が明記されます。
●引き渡し時期と抵当権の抹消について
物件の引き渡しも、売買代金の支払い、受領と同時に行われるのが通常です。
完全な所有権で引き渡す契約をした場合、抵当権や賃借権など設定されていないことを確認する必要がありま
す。所有権の行使を妨げる権利は、売主の責任で引き渡しまでに抹消しなければならず、契約書でもその旨が明
記されます。
投資用物件の売買では、賃借人やテナントが入居した状態で、賃貸借契約がそのまま買主に引き継がれる場合が
あります。引き継ぐ権利、引き継がない権利がそれぞれ明確に記載されているか、よく確認しましょう。