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さて今回は、「もしも不要な不動産を相続したら?」をテーマにお話しします。
相続によって⼊⼿した⼟地家屋。本来ならありがたいものですが、相続⼈にとって「負の資産」になるケースもあり、取り扱いに困ることがあります。
「相続したけれど住む予定はない」「維持管理にお⾦がかかる」など、持て余している相続不動産がある⽅はもちろんのこと、将来的に不動産を相続する可能性がある⽅は、ぜひご⼀読ください。

◆不要な不動産をどうするか?
では、相続した不動産を⾃⾝が利⽤しない場合、どうすればいいのでしょうか。いくつかの対処法が考えられます。
(1)賃貸に出す
持ち家を第三者に貸し出して、賃料収⼊を得る⽅法です。愛着のある⼟地家屋を⼿放さずに済むのはメリットと⾔えます。
しかし、賃貸オーナーになるということは、建物の維持管理やトラブルの対応などに責任を持たなくてはなりませんので、それなりの知識が求められます。家賃収⼊による確定申告も必要になります。
また、借り⼿がいないと家賃収⼊が得られませんが、税⾦や維持管理などのコストはかかります。
(2)売却する
不要な不動産を売却することにより、毎年の税⾦や維持管理の⼿間などの負担からは解放されます。売却益があれば、税⾦や諸経費はかかるものの、残りは相続⼈の所得になります。
ただし、「家あまり」のご時世でもあり、売りたくてもなかなか買い⼿がつかない可能性もあります。また、築年数が20年を超える⼾建の場合、資産価値が低くなると⼀般的に⾔われているため、希望する価格での売却がかなわないことも考えられます。
(3)寄付する
寄付とは、無償で譲渡すること。寄付を受け付けてくれる相⼿としては、⾃治体、個⼈が考えられます。⾃治体などの場合、有効活⽤できる⽤途があると判断すれば寄付に応じてくれるかもしれませんが、ほとんどの場合、受け⼊れてもらえないと思われます。
厳しいことを⾔うようですが、不動産所有者が「タダでも良いから引き取ってもらいたい」と思うような物件は、引き取り⼿がいない可能性が⾼いと⾔えます。
使い道のない⼟地や空き家は、「タダでもいらない」不動産という扱いを受けてしまいます。
個⼈の場合、欲しがる⼈はかなり限定的ですので、まずは隣家に持ち掛けてみるのが良いでしょう。
(4)相続を放棄する
相続する前ならば、「相続しない」という選択肢もあります。不要な不動産を相続してから持て余すより、潔く相続を放棄したほうが、先々を考えると良い場合もあります。
注意しておかなくてはならないのは、相続放棄は不動産だけではなく、ほかの資産にも適⽤されるということです。「不動産は放棄するけれど、預貯⾦や貴⾦属は受け取りたい」ということはできません。
プラスの資産もマイナスの資産もすべて相続するか、すべて放棄するかのどちらかです。
相続放棄は裁判所に申請する必要があり、⼀度放棄したら取り消すことはできません。放棄すべきかどうかわからない場合は、弁護⼠や、司法書⼠などに相談しましょう。