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さて前回は、不要な不動産を相続した場合の対応法をお話ししました。
「賃貸に出す」「売却する」「寄付する」「相続放棄する」の4つをご紹介しましたが、今回はそのうちのひとつ、「売却する」方法を掘り下げてみたいと思います。
資産価値や利便性が低く、売りたくても買い手がつかない不動産でも、やり方しだいで売却できるケースもあります。不動産売却の知識のひとつとして、ぜひお目通しください。

◆築年数の古い家を相続したら更地にすべき?
一戸建ての価値は築20年ほどでゼロになると言われます。これは、木造住宅における税法上の耐用年数が22年と定められているからです。築年数が20年以上経過した古い木造住宅を相続した場合、更地にしたほうが良いのか迷う方もいると思います。
たしかに資産価値が低い建物がある土地は、売却が難しいケースもあります。しかし、リーズナブルな古家を求める層もおり、一概に「古い戸建ては売れない」とは判断できません。近年、不動産市場で古家の流通量は増加しており、今後も増えていくと予測するデータもあります。
相続した土地家屋が持つ付加価値や潜在的な魅力は、当事者ではわからないことも多いものです。更地にしたほうが良いとは限りませんので、まずは現状のままで複数の不動産会社に査定してもらい、それから判断してはいかがでしょうか。


◆相続した不要な不動産を少しでも早く売却するには
不動産会社を通じて不動産を売却する方法は、「不動産会社に依頼して購入希望者を探してもらう(仲介)」「不動産会社に不動産を買い取ってもらう(買取)」の2つがあります。
仲介で売却を依頼するメリットとは、希望する価格に近い金額で売れる可能性があること。買主を見つけるための宣伝活動は、不動産会社が対応してくれるので、売却まで一任できます。
ただし、売却相手がすぐに見つかるかはわかりません。購入希望者がローンを組む場合はローン審査もあるため、仲介での売却は、一般的に時間がかかると考えた方が良いでしょう。売買が成立したら、仲介手数料もかかります。
不動産会社に買い取ってもらうメリットは、売却まで時間がかからず、空き家をすぐに現金化できることです。売却後は不動産会社のものになるので、空き家に欠陥や不具合があった場合の責任も回避できます。内見の対応や仲介手数料も不要です。
ただし、買取の場合は価格が相場より安くなることが多く、希望する金額で売却するのは難しいかもしれません。
持っているだけでコストがかかり、維持管理も大変な「空き家」の不動産。それが家族の思い出が残る実家だった場合、誰も住む人がいなくなったからといって、すぐに手放す心境になれないのもわかります。しかし、結果的に手放すことを決断する方も多いのも事実です。
思い入れのあるお家だからこそ空き家のまま放置せず、そのお家に価値を感じて下さる方(不動産会社を含む)に譲る方が良いと考え、売却を決断されるのでしょうね。
長い目で条件の良い売却相手を探すのか、それとも少しでも早く手放したいのか。冷静に見極めて、相続で損をしないよう不動産を売却する方法を模索しましょう。