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今回のテーマは、「物件によって違う耐用年数」。

少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

◆3つの耐用年数
前回のメールマガジンでは「物理的耐用年数」「法定耐用年数」「経済的耐用年数」の3つの耐用年数があることをお伝えしました。
それぞれ何をもって算出するかの基準が異なっており、不動産売却においては「法定耐用年数」が使われることが一般的です。
法定耐用年数は物件の種類によって異なるため、どの物件にどのような耐用年数が定められているかをしっかりと認識しておきましょう。
【一戸建て】
一戸建ては一般的に木造です。新築の木造住宅の法定耐用年数は、法律で22年に設定されています。これは、2200万円で建てた物件の場合、1年ごとに100万円ずつその価値が下がり、22年後に資産価値が0円になる、ということです。
耐用年数が他の物件に比べて短いため、1年当たりの資産価値の下落が大きいことが、木造住宅の特徴といえるでしょう。
【マンション】
マンションは鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)と、鉄筋コンクリート造(RC造)の2種類がありますが、どちらも木造よりしっかりしているため、耐用年数は47年と大幅に長く設定されています。
中古のマンションの場合は、中古一戸建てと同様の計算式で耐用年数を算出します。どちらにしろ、一戸建てよりも耐用年数が長いため、資産価値が下落しにくいといえるでしょう。
【木造アパート】
木造アパートでは、一戸建ての木造とは異なり木骨モルタル造が採用されている場合があります。この場合の耐用年数は20年となっており、木造一戸建てよりもさらに耐用年数が短いものになっています。
ただし、木造アパートを売却する際は、その物件からどれだけの収益を生み出せるかという基準(収益還元法)で価格を算定することも多く、減価償却費の基準として定められた法定耐用年数が、そのまま売却価格に大きく反映されるか否かは物件によりけりです。
◆資産価値のチェックは大事
将来的に不動産を売却するつもりがある方は、ご自身がお持ちの不動産の耐用年数と築年数を計算し、資産価値がどのようにして下がっていっているのかを一度確認してみてはいかがでしょうか。
「買ったときは高かったから、それなりの価格で売れるだろう」と思っていても、いつのまにか耐用年数を経過してしまって資産価値がゼロに、または友人のマンションが高値で売れたと聞いたのに、同時期に建てた一戸建ての資産価値はほぼゼロだった、なんていうことにもなりかねません。
今は売却するつもりがなくても、簡単な計算式で算出できるので、一度チェックしてみてくださいね。
ただし、前回もお伝えしているように、「建物の売れる価格=財務省令で定められた減価償却残存価値」ではありません。インターネットの記事などでも、この点を混同して書かれているものも散見されますのでご注意ください。
今回ご紹介しました計算式や考え方はあくまで一つの目安に過ぎず、実際に売りに出される場合は、不動産売買のプロである不動産会社に査定を依頼されることをおすすめします。