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査定価格は、価格査定という一定のルールによる一連の作業の結果として求められた価格であり、実際に売買された
価格をもとに売却可能な価格を導き出そうとするものです。
価格査定にとって欠かすことのできない売買実例がほとんど存在しないかあるいは皆無の場合、価格に何らかの目安
をつける方法の1つとして、次の価格概念があります。
地価公示価格や基準地の標準価格を活用する方法があります。これらは、いわゆる公的価格といわれるもので、一般
の土地取引の際の価格の指標となるものです。公的価格としては、このほかに相続税路線価や固定資産税評価額など
があります。
これらの価格は、「総合土地対策推進要綱(平成3年1月閣議決定)により、平成4年から路線価は地価公示価格の
8割の水準に、平成6年度の評価替えから固定資産税の評価は地価公示価格の7割の水準にそれぞれすることになり
、地価公示価格を基準に公的評価が一元化されました。

地価公示価格(公示価格)

地価公示制度は、昭和44年に施工された地価公示法により、都市計画区域内に標準値を選定し、その適正な価格を
「公示価格」として定期的に公示するものです。
この制度の目的は、一般の土地取引の取引価格に指標を与えるとともに、公共事業者が事業用地の取得価格を算定
する際や、不動産鑑定士が鑑定評価をする際等にはこの公示価格を基準とすることにより、適正な地価の形成を
図ろうとするものです。
毎年1月1日を価格判定の基準日として、毎年3月頃官報に公示しています。

都道府県が発表する基準地の標準価格(基準地価格)

都道府県地価調査制度は、昭和49年国土利用計画法施行により創設された制度で、都市計画区域内外における標準的
な土地を基準地として選定し、その適正な価格を「基準地の標準価格(基準地価格)」として、定期的に公表する
ものです。地価公示の補完的役割を持っていますが、価格の位置づけなどは公示価格と同じです。毎年7月1日を
価格判定の基準日として、毎年9月頃都道府県の公報で公表しています。

相続税の路線価

路線価は、相続税財産評価基準による評価額で、被相続人が所有していた土地を評価するうえで基準になる価格です
市街地およびその周辺の地域における各画地ごとの面する街路について、住宅地・商業地・工業地等各地域ごと
その路線に面している宅地の標準的な開口の長さおよび奥行の長さを有する長方形または正方形の標準的画地条件
を具有する画地を想定して、その各画地の平均単価を沿線路線に付設してあります。この付設されている単価の
ことを路線価というわけです。例えば、路線価図に3570と表示されている場合には3,570千円/㎡ということになります。
その他の地域の土地については「倍率方式」(評価する宅地の固定資産税評価額に、国税局長が定める倍率を掛けた価格により評価)により行われます。
価格判定の基準日は毎年1月1日で、毎年8月頃に書物等で発表しています。

固定資産税の評価額

土地の固定資産評価は、地方税法に基づいて総務大臣が定め、告示した固定資産の評価基準により、市町村が評価決定します。
そして、この評価は3年ごとの基準年度に行われます。
価格判定の基準日は基準年度の1月1日です。

その他の価格概念

地価および地価動向等を調べるときの参考となるものとして前述の価格概念がありますが、その他に下記の公益法人、民間等における地価動向のデータがあります。

取引価格および地価動向
指定流通機構は、成約報告の価格および登録された売物件の価格をもとに、地区別に下記の公益法人、民間等における地価動向のデータ整理を行っています。

市街地価格指数
㈶日本不動産研究所によって、昭和11年からの全国市街地価格指数が作成されており、長期間にわたっての経年変化
をみることができます。

その他
新築マンションについては、全国のマンション市場動向について建設、販売の市場動向(毎月)が、また中古マンションについては取引価格の調査(毎月)がそれぞれ各民間会社により行われています。
オフィス資料については、㈳日本ビルヂング協会連合会の加盟会社を対象とする調査(年1回)および民間会社による全国ベースのオフィスの坪当たり賃料の調査(年1回)が行われています。