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今回のテーマは、「不動産査定と不動産鑑定」。

少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

◆査定と鑑定の違い
不動産の価格を知るための方法として、「不動産査定」と「不動産鑑定」があります。
どちらも同じように見えますが、価格を調べるための方法や、算出された金額がもたらすないように違いがあります。
簡単に言ってしまうと、「不動産査定」は不動産の価格を知るためのもの、「不動産鑑定」は不動産の価値を証明するためのもの、という違いがあります。
また、不動産査定は簡易的なものが多いのに対し、不動産鑑定はそれよりも厳格です。
それぞれ、どのようなものかを見ていきましょう。
【不動産査定】
不動産を売りに出そうか考えたとき、不動産会社に仲介を頼む際、「不動産査定」を行ってもらい、売出価格を決めることになります。
つまり、「不動産査定」は不動産会社がサービスの一環として行っていることが大半です。
査定にはその不動産の立地、利便性、築年数、間取りといった条件を考慮し、それに類似した物件の取引事例を参考にしておおよその価格を算出します。
その際に作成される報告書はA4サイズの紙2~3枚に収まるくらい、非常にコンパクトなものが多いようです。
そこには、物件の現時点での妥当な査定額はもちろん、なぜその査定額になったのかという根拠が簡単に説明されていることが一般的です。
【不動産鑑定】
「不動産鑑定」は、「不動産査定」と比べると、さまざまな要因を緻密に分析して行われます。そのため、信頼度も不動産査定に比べて格段に高くなります。
分析に使われる要因としては、地盤、地域の人口、物価の動向、土地の利用規制などが含まれる「一般的要因」というものがあります。
また、地域の環境から受ける影響(例えば土壌汚染の有無など)を含む「地域要因」、さらに土地自体の形状や、建物であれば土地上での配置や管理状況を含む「個別的要因」というものがあります。
これらの鑑定は、国家資格を持つ不動産鑑定士が行います。また、それぞれの要因については国の統一基準に基づいて価格を算出します。
このときに作成された「不動産鑑定評価書」は、裁判所や税務署などの公的機関において重要な資料として扱われるくらいの専門性と公正性があります。
「不動産査定」の場合、不動産会社によっては査定額が大きく変わることがあるのに対し、「不動産鑑定」の場合はほとんど同じような評価が出ることになります。