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さて、前回までは、「重要取引説明書」について、記載内容やポイントをお伝えしました。

今回からは、3回にわたって「不動産売買契約書」を詳しく取り上げます。

専門用語も多く、難解なイメージの不動産売買契約書ですが、どんなことが書かれているのでしょうか。

記載内容や注意点をご紹介しますので、不動産売却のの際にぜひお役立てください。

◆「不動産売買契約書」に書かれていることは?
不動産の売買は、高額な資産を対象とした取引です。
契約内容や権利関係が複雑なため、不明確な状態で契約を締結すると、当事者同士でトラブルが発生する可能性
があります。
そのため、主要な契約内容を書面に記載して、契約当事者が互いに十分理解したうえで、契約を締結することに
なっています。宅地建物取引業法においては、宅建業者が契約内容を記載した契約書に記名押印して交付するこ
とになっています。
◆不動産売買契約書の一般的な項目
(1)土地・建物、契約の当事者に関する項目
(2)土地面積および土地代金の精算に関する項目
(3)売買代金や手付金、支払いに関する項目
(4)所有権の移転、引き渡し、登記に関する項目
(5)付帯設備等の引き継ぎに関する項目
(6)危険負担、契約違反による解除、契約不適合責任等に関する項目
<不動産売買契約書のチェックポイント>
今回のメールでは、(1)~(2)までを詳しく見ていきましょう。
(1)土地・建物、契約の当事者に関する項目
●契約の当事者について
売主と買主の住所・氏名を記載します。
●売買される物件について
売買対象となる物件と範囲を明確にします。一般的には登記簿に基づいて表示されます。
(2)土地面積および土地代金の精算に関する項目
●対象面積について
土地の面積は、登記簿に表示された面積と、実際の面積が異なる場合があります。
登記簿の面積で決定する場合は、実測面積と相違があっても異議を申し立てないことを明示。実測面積で代金を
決定する場合は、契約までに実測を行って決める方法と、契約後に実測して登記簿上の面積の差額を精算する方
法、契約で決めたどちらかが明示されます。
●境界について
売主は、物件の現地で買主の立ち会いのもと、隣地との境界がどこかを示さなくてはなりません。境界が不明な
場合は、契約前や契約後、引き渡しまでに土地家屋調査士や測量士などを交えて、境界を確定します。あいまい
なまま契約書を取り交わすと、トラブルのもとになります。